

NHK番組、太田・田中の「爆学」シリーズの中で一番かみ合わない対談だった。阿川佐和子の兄阿川 尚之のアメリカナイズぶりも徹底していた。まるでアメリカ人タレント、タカ派論客ケビン・クローンと話しているような印象だった。
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阿川佐和子の兄だから、もうちょっと余裕ある接し方するのかと思ったら、ディベートをやっているように相手にスキを与えたら、負け、そんな意識が見えて、日本人の思考回路を捨てた人間かな、と思わざるを得なかった。
阿川 尚之(あがわ なおゆき、1951年4月14日 - )は、日本の法学者、エッセイスト。ニューヨーク州及びコロンビア特別区弁護士。慶應義塾大学教授。専門は米国憲法史、日米関係史。作家阿川弘之の長男。
阿川の来歴:鎌倉時代の武将佐々木定綱の孫秀綱が13世紀の中ごろ長門国豊浦郡阿川の地に移り住み、佐々木姓を阿川に改めた。勲功をたて、美祢郡の伊佐に土地を拝領し“伊佐の阿川氏”を名乗る。
「ウチの兄は、生意気なヤツでアメリカ大好きだから、太田さんとはたぶん話が合わない」と阿川佐和子からもらっていたメールを田中が紹介していた。まさにその通りであった。
「アメリカをあまり好きじゃないんですって?」と切り込まれたら、「僕はアメリカ大好きです。反米だと言われるが、ぜんぜんそんなことないです」太田。
阿川「なぜそういわれるの?」田中「アメリカ大嫌い、って言いますから」 太田「それで(視聴者は)思うか?」田中「思いますよ。一般的にテレビ見る人は」田中は、常識で理解する世界で太田を説明する。
日本語は、気分を伝えるには向いているが、論理を正確に伝えるには向いていないのか、大雑把に「アメリカ人とこうでしょ」という話をすると、受け付けてくれない。日本人はディベートをするつもりはないのに、仲間だろうという気分では単一民族意識の話は、国際的な場では伝わらないと、佐和子の兄貴は言いたいのかもしれない。とにかく、彼はアメリカに肩を持った見方をする。その点では、日本人離れしている。
太田は「アメリカなんか大嫌いだ」、「バッキャロ!=好きだ」が太田言葉だ、と思わなきゃ太田の真意が伝わらない。彼の斜に構えた見方を冷静に接しないと、カッカしてしまう。行儀の悪い太田だが、昔からこういう言い方はあった。これが今後もっと増えていく表現になるかもしれない。だから「アメリカ大好きですね。好きですね」と太田に素のいい方をされると、エッと思ってしまう。
太田、田中の育つ頃の日本には、「アメリカを嫌い」という対立軸に日本に他の文化はなかったと言えるかもしれない。アメリカ文化しか日本には存在していないと言っていいくらだった。これからは、日本の独自性が文化にも、政治にも生まれてこないと、アメリカを真似した二流、三流文化しか存在しない。文化の下請けしか担えない。アメリカのいい部分は取り入れていいが、親米派論客には、アメリカ好きが昂じて、アメリカの言いなりの人がいるから、その辺は×だ。
ブッシュからオバマに変わったというアメリカを「オレには違うようには見えない。違いを探すほうが難しい。根幹の部分が変わっていない。」という大田に、阿川が「その根幹って何だ?」という。「それは人殺し、拳銃を突きつけて黙らせる。原爆だって二つ落としたでしょ」、阿川は「アメリカを攻撃したのは、日本でしょう」と真珠湾攻撃の先制攻撃を指摘する。
普通の日本人なら、日米戦争の発端は、アメリカの嫌がらせに堪忍袋の緒が切れて、と思うところを、「真珠湾先制攻撃」とアメリカの正当性を主張する日本人は珍しい。阿川先生の親米家の親米家たるゆえんだ。ルーズベルトは日本に先に手を出すように仕向けていたのに、日本が乗せられたといもうが、これもディベートでは証拠を示さないと、議論に載せられない。推測の域の論理はダメなんだというだろう。
アメリカ13州の移民で、インディアンをみな殺し、大虐殺した歴史を太田光が追及すると、阿川「そうでもない。皆殺しって全員殺したということでしょ、皆殺してはいない。」子供の屁理屈を並べて、ディベートに負けないような、論理で反論する。日本人から見るとおかしい。挙句の果て、「実際の歴史というものはそういうものです」
「イラクはどうですか?」「そこはわからないけど」「トボけちゃけいないよ!」「イヤイヤ。事実に反することを言っているから」
「それでトボけられちゃうと、困る」「トボけていない。そこは訂正してよ」「判らないフリするんだもの!」太田は絶叫。
ほとんど、ケンカ状態になって、田中が「そこは大雑把に我々の常識として、アメリカという国は、自分たちに逆らった国には武力行使して犠牲者を出すとう、見解があるが・・・」と妥協して話を進めさせようとする。
阿川「世界の中で、それをやらなかった国はほとんどありません。アメリカも例外ではありません。もっと複雑だ。アメリカ政府は、インデアンを殺す人を取り締まったし、(太田「そりゃそうだけど」)なぜ、それをヒトククリにしてアメリカは暴力だと言えるのか。」
「原始時代から、人間の本性として、戦う本能、相手より強くならないと、負けてしまうということがあって、(太田「言っていることはわかりますけど、日本はほとんどアメリカに近い国になりました」)ほとんどアメリカに近い国というが、どういう意味ですか。(太田「アメリカ文化が入ってきているし」)それは、日本だけではないでしょう。ヨーロッパも、アジアも、韓国も。」
太 田「日米同盟がかなり硬い絆で、お互いに得になることは、一緒にやろうとう同じ考えを持っている国になった。アメリカが日本国憲法を作ったし」(阿川「アメリカが作ったと言うの若干違うし」)
田中「フフフ・・・、先に進まないな、この会話は、ハハハ・・」。(阿川「だって(論拠が)はっきりしないんだもの」)

アメリカが建国されて230年13州がイギリスから独立して、国が連合して合衆国ができた。多様な意見をもつ人々の集まりからできた。今も毎年100万人の人が永住権を得ている。人種、宗教、主義主張が違う人々が共存している。壮大な実験国家なのだ。これが阿川教授の主張、アメリカ観である。アメリカは一つであって、一つではない。
太田さんのおっしゃるように、アメリカはインディアンにひどいことをしている。その間に、インディアンのほうが正しいという最高裁の判決も出ている。あくまで、法律で裁判で勝っている。議会で裁判を通し、黒人の弾圧した人々を南北戦争で負けて差別から、今アメリカ国民は、黒人のオバマ大統領を選んだ。アメリカは、価値の多様化、考えの多様性を認めた数少ない国だ。コレが言いたかった。
アメリカには、一方的な強引な点はありました。乱暴なところはどこの国にもあった。日本が乱暴な時代はあったし、中国の歴史にもあったし、ヨーロッパにもあった。ヨーロッパにも、アラブにもあった。それでも、アメリカは正しい方向へ戻す復元力はある。そのことを共感することが大事ではないか。
最後になってようやく納得のいく話しも出てくるが、親米派の論客というが、まるでアメリカのタイコもちみたいで、そこまで、なんでアメリカの肩をもつのか、理解できなかった。しかし、アメリカ人の友だちを持ち、アメリカ人のいい面を見れば、アメリカが好きになるかもしれない。
「Jack And Betty」(開隆堂)英語の教科書に使われている英語(アメリカ英語)は、ボストンの上流社会で使われている綺麗な英語だとわかったが、やはりきちんとした社会をみて、良識がある人々と付き合えば、その国も好きなる。その式でアメリカが好きになるのかもしれない。
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