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2012年7月 4日 (水)

キネマの天地 新人有森也実 田中絹代演じる

134_2 昭和8年、日本軍が中国大陸へ進出し、今の天皇が生まれた年である。浅草の映画館で売り子をしていた田中小春(有森也実)が美人だと評判だった。

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019  松竹キネマの小倉監督(すまけい)が映画館へスカウトにきて、小春に女優にならないかと勧めるところから始まる。蒲田撮影所の大部屋にまず入り、出来がよければ準幹部待遇、準幹部、幹部と昇進する。小春は監督に注目され、短期間で「大部屋」から「準幹部待遇」に昇進した。

有森 也実(ありもり なりみ、1967年12月10日 - ):日本の女優である。本名20070927080417 同じ。神奈川県横浜市生まれ。スペースクラフト所属。明治大学付属中野高等学校定時制卒業。血液型はO型。特技はバレエ、ダンス。左利き。中学生のときに読者モデルとなり、芸能界デビューした。1986年(昭和61年)、『星空のむこうの国』にヒロインとして出演、映画デビュー。同年、『キネマの天地』でもヒロイン役を演じ、第29回ブルーリボン賞新人賞、第10回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
清楚で優等生のイメージだが、本当の性格は「酒豪」「カラオケが大好き」でサバサバとした男前の性格。恋愛に関しては、積極的で「彼氏の家に行って、24時間有森の唇が腫れるまで彼氏とキスをした」とか、「彼氏が骨折で入院した時に、毎日手紙を送り続け、彼女の長い文章で彼氏がストレスで“胃潰瘍”になった」等「ドラマと実際のキャラクターに差がある」事が原因で、恋愛が短期で終わる事が多い。(2012年2月6日『人生が変わる1分間の深イイ話』) 「ライオンのごきげんよう」(2012年3月20日放送)で、最近の悩みは老眼だと話した。Wikipedia参照

Ws000033  撮影所には美人は掃いて捨てるほどいる。昔、S劇団の「大部屋」女優さんから写真入りの手紙をもらったことがある。彼女は、チョイ役をやりながら、H寛美座長の身の回りの世話役で、五年続いていると書いてあった。美人であるが、「大部屋」女優から芽が出ないから、だいぶ腐っている様子であった。ぱったり文通が途絶えて、何十年、その後どうしたのだろうか。
 
 小春は泣き泣き家に帰り、女優になることをあきらめた。長屋に戻って近所の奥さん(倍賞千恵子)にことのいきさつを話している小春を、翌日、小倉組の助監督島田健二郎(中井貴一)が迎えにきた。


Ws000045 「女優になりたがる娘はいっぱいいるけど、女優にしたい娘はそんなにいるもんじゃない」。健二郎の言葉で勇気が出た。「本当に、私、女優になれるでしょうか。」と自信がなかったが、再び女優への道を歩み始めた。
 やがて健二郎と小春はひと眼を盗んでデイトする間柄になった。小春は幸福だった。しかし、時がたつにつれ、映画のことにしか興味をしめさない健二郎に少しずつ物足りなさを覚えるようになった。

 都内の蒲田撮影所が、神奈川県の大船へ移転前、映画隆盛期に監督が145_2競いあっていたころである。そのとき50周年というから、松竹映画は1883年創業だ。
 「蒲田行進曲」も、この撮影所を描いた映画で雰囲気は似ているが、男が主演である。小春は、田中絹代がモデルだとも言われている。

 小春の母は大震災で亡くなり、今は、若い頃旅回り一座の役者だったという病弱の父・喜八(渥美 清)と長屋でのふたり暮らし。ある日、小春は蒲田撮影所へ見学に出かけ、守衛に案内されて小倉組の撮影を見ていた。撮影中に看護婦がほしいと監督が言いだし、その場で小春はエキストラとして映画出演することになった。 だが素人の小春にうまく演じられる訳がなく、小倉に怒鳴られた。

小春の長屋の住人たちは不況下の失業にあえいでいた。夏もすぎ秋になって、小春はプレイボーイとして有名な二枚目スター、井川時彦と親しくつき合うようになった。

Ws000021 師走に入って、健二郎は、労働運動で警察から追われている大学時代の先輩をかくまったとして、留置所に入れられた。過酷な留置所生活で暮らしてみて、自分には映画作りが生きがいだと気づいた。
 蒲田撮影所には、出社すると、受付でクルっとひっくり返す名札があった。その当時のまま資料に従ったセットに「吉村公三郎」があった。このころ、たぶん助監督だと思う。

14_2  年が明けて、主演のトップスター川島澄江(松坂慶子)が愛の失踪事件を起こしたため、その代打に小春が大作の主演に大抜擢。起用されたのだ。これは、岡田嘉子の国境を越えた愛の逃避行をモデルにしている。
148  
しかしその大作「浮草」で演技の壁にぶつかって、小春は苦悩した。
その小春を、喜八はかつて旅回り一座の看板女優だった母と一座の二枚目俳優のロマンスを語り励ました。実は小春の本当の父親はその二枚目である
ことも--。

 小春は主演に抜擢されたが、演技力が追いついていないので、監督が何度テストをしても、ダメ出しされ、その日は、撮影できず、翌日持ち越しになった。
 落ち込んだ小春は、家に帰ってきて、母代わりのゆき(倍賞千恵子)と父(喜八=渥美 清)に相談する。

128 ここからが、映画のクライマックスで、(脚本は共同執筆、井上ひさし、山田太一、朝間義隆、山田洋次)監督山田洋次がタンタンと、ストーリーが続いたのをひねった、と思わせるヤマがあった。

 小春が困っていると、父喜八が話し始める。
121喜八:本当は好きなんだが、金持ちの息子と一緒になっても、末永く暮らせるわけがない。心ならずも首を横に振るという芝居だろう?
小春:先生はとうとう怒ってしまって、撮影中止にしてしまったの。明日行ったって、どうせ同じこなんだよ。お父ちゃん、どうしよう。あたし、もう死んでしまおう。もう、やー・・・
喜八:オメエが死んだら、あしらどうなるか、わかっているのか。お前の気持ちはそれで済む。だかな、明日の舞台がアナが空いちまうのだぞ。え?どうやってお詫びする?
小春:いいんだよ。お客なんてどうだって。
喜八:ばかやろう!それで、テメエは役者といえるのか!
ゆき:喜八さん、そんなに怒らないで、何か教えてあげられないの?あんただって、この子のお母さんだって役者だったんでしょ?
喜八:そういえば、あいつも旅役者の娘だった。
ゆき:そうよ。小春ちゃんが主演女優になって一番喜ぶのは、おかみさんだよ。
喜八:おまえのカアちゃんは、ヤダといった。(小春:え?)
 父ちゃんが口説いたとき、口に出して言ったのではない。首を横に振ったんだな。こんなふうに。
小春:お母ちゃんが?
喜八:多摩川の河ぷっちの汚い宿屋の二階だったよ。オレは、初めて会ったときから思い焦がれていたんだ。なにしろ、一座の看板娘だしな。こっちは馬の足よ。
 あの頃、あいつには好きな男がいて、コレが不実な野郎で、旅先で女ができてドロンしちまった。オイラ可哀そうで仕方なかった。好きな食い物を買って行ったり、バカなことを言って慰めたり、そんなふうにしているうち、川べりの汚い宿屋で二人きりになったとき、ついいっちまったんだよ。
「オレと所帯もたねえか?」
136_2 あいつは(首を振るしぐさ)こうしたら、父ちゃんは「オレのこと、嫌いか?」
 そう聞いたら、オマエの母ちゃん、もう一ぺん首を振った。今でも覚えていら。
 顔を伏せてナ、指をこんなふうにして(指を畳につけてひねる)していた。
「ダメ」オレがまた何か言ったら
「ホントウにダメ。私の中に子供がいるの」
 ウナジまで真っ赤に染めて、そのとき、ああ・・・一生この女を大事にしていこうと、父ちゃんはそう思ったんだよ。
小春:その子供って?
喜八:ウン、オマエだよ。
ゆき:ねぇ、ちょっと、いいのそんなこと、言って、話してしまって。死ぬまで言わないって約束したんでしょ。
小春:お父ちゃん、なんで?そんなこと話すの?黙っていりゃ、いいのに。バカね。
ゆき:バカ、ホントにバカ。
喜八:話すつもりはなかったのに、マアしょうがないや。かえって、オレみたいなオヤジでないとわかって、ホッとしたでしょうが。
ゆき:なんてことを言うの。

 ここまで語ると、場面はスタジオで撮影の場面になる。一番先に小春が来て、セットで準備をしている。
144男:(駆け落ちの相談)東京へ出て暮らそう。
女:考えてもみて。日も当たらない裏長屋に住んで、朝から晩まで真っ黒になって働くような暮らし、大きな網元の跡取り息子の新吉さんができると思うの?
男:できるさ、オマエと一緒なら。
女:できやしないわ。そりゃ、二年や三年は夢中で過ぎるかもしれないけど、十年、二十年たって、マダ貧乏暮らしが続いて、新吉さんが「ああ、この女と一緒になったばかりにこんな貧乏暮らし」と、そんな後悔したら、私死ぬよりつらいの。
 どうして、どうして網元の息子に生まれて来たのさ。
 どうして、どうして・・・・(男の胸に飛び込み泣く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
監督:アホ、できるやなかい。そんでええ。
助監督:(おもむろに拍手・・・)今のカット、OK
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

157
映画「浮草」は成功した。
人があふれる浅草の映画館へ、ゆきと「浮草」を見に行った喜八は、映画を見ながら静かに息をひきとった。

小倉監督(すまけい)=野村芳亭と五所平之助を混ぜたような人物。
緒方監督(岸部一徳)=小津安二郎。
斎藤寅二郎(堺正章)=ナンセンスの巨匠。
城田所長(松本幸四郎)=城戸四郎。
恋人と逃避行する川島澄江=岡田嘉子を連想
ヒロイン小春のモデル=田中絹代。
ヒロイン役は、藤谷美和子がどたんば降板したので、幸運にも、新人の有森也実が初主演となった。活弁が活躍していたが、そのころから、トーキーに代わる時期になって、見栄えと同時に声のいい女優が求められるようになった。
 
有森也実の演技は硬いといわれたが、有森也実好きな私には、それが初々しさに見える。「キネマの天地」は、評価A。退屈させない娯楽映画に仕上がっている。


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