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2012年6月17日 (日)

「ジュリア」反ナチ幼馴染と女流作家リリアン

020  女流劇作家「リリアン」は、幼いころ 「ジュリア」と彼女のお屋敷で暮らして、仲がよかった。主人公リリアン(ジェーン・フォンダ)は 賢くて度胸のあるジュリアに 尊敬と憧れをいだいた。ジュリアは、自分ちの祖父母が大金持ちで、貧しい人に同情も何も感じないところに反発を感じていた。
 ジュリアは、高校を卒業と同時に、家を出てオックスフォードへ入る。そこで、医学を志し、リリアンは劇作家の道を歩む。


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 随筆的な女流劇作家「リリアン」の自伝を映画化した作品で、ラブロマンスでも、サスペンスでもなく、と思ってラクに見ていた。1930年代のヨーロッパがそうさせるのか、彼女たちの成長期に、時代の変遷にめぐり合って、医学生として熱心に勉強している友人が、社会の理不尽に目覚めて、反ナチ活動に突入していく。
 今、シリアの社会情勢を直視すると、無関心でいられない。それを深く悲しむ若者の心に大きい影響を与えているだろう。また新しい『ジュリア』が生まれているだろうと思うと、悲しい。その友人ジュリアに会いに行くリリアンの数日の体験を切り取って、鮮明に際だたたせて映画がサスペンスか、と思わせる。

026028  若いころ、一度ジュリアの大学へ訪ねたが、リリアンには難しい科学書や哲学書に興味を持って読んでいる彼女の逞しさに尊敬の念を感じて帰った。その後は電話と手紙のつながりで、その後、ジュリアは、オックスフォードから、ドイツ、オーストリアの大学で有名な教授のもとで研究をするために渡っていた。再度二人が出会うのは、リリアンが劇作家になったときである。彼女はロシアへ作家仲間とアメリカからツアーで行く機会がきた。

リリアンが、旅行でモスコアへいく経由地で、ジュリアと会いたいと電話を入れたが、連絡がなかなか取れなかったが、伝言で「××ホテルに連絡をほしい」と頼んでおいた。

 フランスのホテルで滞在していると、ドイツレジスタンスの連絡員が、リリアンを訪ねてきた。その人は、身分を伏せ、ジュリアの手紙を持っていた。フランスからドイツへ、50万マルクだったか、フランだったか、囚われの仲間の保釈金であるのだが、それをジュリアは、リリアンに託そうとしたのだった。

066_2  ドイツレジスタンの彼は、「オカネがないから、朝食をご馳走してもらえないか」と頼むシーンは実にリアリティを感じた。
 食事後、「公園へ行きましょう」とリリアンを誘い出し、公園で「今回の用件は、50万マルクをベルリンの某所へ送り届けることで、ジュリアは、リリアンは臆病だから、危険な目にあわせたくないから、彼女にその意思がなかったら、無理じいしないように」というメッセージもあった。ウイーン経由を、リリアンだけベルリン経由に変更、列車変更の手続きも、彼らがささっとしてくれた。手際のよさに驚く。

「しばらく考えさせてほしい」
「無理しないでと、ジュリアにも言われている」
「いや、急にいわれたので、ちょっとだけ時間をください」という。
「この仕事を引き受けるなら、私の会って、ハロー、と言ってください。ダメな場合は、私に会っても知らん顔してください」という。
 このドイツ地下組織の人たちとのやりとりは、ナチの厳重な監視の下の行動だから、すべてがサスペンス仕立になってしまう。

 
 翌日、タクシーで駅へ行くと、リリアンのツアー仲間の前を、昨日来た地下組織の彼が通り過ぎていく。

「昨日リリアンを訪ねてきた人だ」と仲間がいう。部屋の窓から公園で見ていたという。それで、リリアンは追いかけて、「ハローです」という。

「私の甥が、この列車4号車の××室にいます。彼から荷物を受け取ってください」というメッセージを聞くと、さっさと消えた。
075  列車発車時間が近づいていたので、ホームを走る。乗車口には、ドイツの息の掛かった係員が立っている。そこでリリアンはひっくり返る。
 慌てて乗り込み、4号車まで探しながら車内を歩く。幸運にも、向こうから「甥」と称する彼が、リリアンを見つけて、荷物を渡してくれた。それは、ジュリアへのお土産「チョコレート」と「帽子」の箱である。

 その荷物をもって、自分の指定席へいく。そこは、4人掛けの個室コンパートメントである。先客が一人、リリアンは軽く挨拶して自分の指定席に座る。その目つきが、妙にリリアンに注がれる。こういうシーンは、視聴者も、リリアンも、ドキドキさせる。リリアンが秘密の使命を帯びていると思うと、自分の近くへ来る人、来る人がみな疑わしく感じる。

 映画製作者の意図として、この場はサスペンス的な緊張感を保つ気でいるから、なおさらである。少し遅れてきてリリアンの前の席に座った女性は、先客と知り合いのような雰囲気がある。
「素敵な毛皮のコートに、その帽子をかぶったら」
 毛皮コートにこの獣の皮製の帽子をかぶると似合う、とリリアンの持っている帽子を勝手に勧める。箱から帽子を出させるように押し付けがましい。この二人、何か知っているような雰囲気。

 その時点で、この二人は、リリアンを警護する地下組織のメンバーだと、視聴者にはわかるしかけだ。リリアンは、二人にわからないように、帽子を探ると、オカネが帽子の中に隠されていることを悟る。帽子をかぶっていると、駅員やナチの回し者たちが荷物検査としょうして探ることはない。それを知って、女性たちが、リリアンに帽子を被せることにこだわる意味をようやく理解した様子である。

「鉄橋を超えると、ドイツ領に入る」とドイツ語放送がある。
 英語圏からくるとよくわからないが、同じコパートメントの女性が教えてくれた。下車して、切符とパスポートの検査がある。
 そこで、係官は、ベルリンへ行く理由を聞いたり、ベルリンの市内を見て回ること細かく尋ねる。第二次世界大戦前夜という位置づけで映画ができているから、外国人のベルリン途中下車が気に入られていない様子である。ドイツはまさにユダヤの迫害が始まっている。
 すぐにまた列車に乗るから、いいだろう、と言う認識で許可された。
 職業を聞かれて、「作家」というと、「ベルリンの様子を書くのか?」としつこく聞いていた。書かないとは言わないが、リリアンがベルリンの様子をどんなに書くのか、係官は興味津々である。情報が漏れるのが一番困るのである。

047  夜、ホテルに泊まると、ユダヤ人狩りのナチの組織がデモ隊を追い立てる。親ユダのホテルや会社には、実力行使をして、社長を担いで二階から放り投げるなど、狼藉をしたい放題である。
列車がベルリンへ到着すると、リリアンの知らない男女が、ホームに下りた彼女に「リリアン!」と親しげに近づく。
 この親しげな違和感を視聴者がサスペンス感を深める。
008 男性がリリアンの荷物を持ち、彼女の腕をとり、親しげな態度をとる。
「駅前にアルバートという店でジュリアンが待っている」とささやくように伝える。回りにはゲシュタポのようなナチシンパが囲んでいる。その雰囲気に呑まれて、リリアンは言葉が出ない。
「それでは、よい旅を、グットラック!」
それだけ言うと男も女も消えた。

 アルバートというレストランへ入ると、人ごみの席の中、奥の席でジュリアンが待っていた。「懐かしい」と二人は手を握り合う。
00011 「再会を祝い、キャビアをご馳走する」とジュリアンはいう。
「松葉杖は?」
 ジュリアンは義足であった。テーブルの下の義足をカメラが追う。危険な任務について、反ナチ活動をしていることを暗示する。
「大丈夫、涙は禁物」と言う、冷静なジュリアンの気丈さに圧倒される。反ナチ活動に身を投じている人は、これでないとできないだろう。そうして想像を駆り立てる。あまり時間がない・・・。
「あなたのおかげで、500人、いや交渉しだいで1000人は助かる。政治犯をふくめて」と、トイレへ行って帰ってくるとご馳走を食べながらいうジュリアMiddle_1282995660 ン。このトイレへ行った意味はなんだろう。
「あなたは、親友以上の仕事をしてくれた」
その後、リリアンは付き合っている彼の写真を見せて、
「気難しい人、ジュリアンにあってもらいたい」というと、
「ニューヨークに行ったらね」という。
「いつ?」
「二ヵ月後に、義足を新しくつくるから」

「もうひとつ頼みがある。 I have a baby.」と確かに言った。字幕では「私、子供がいるの。」とあった。
「ニューヨークへ行ったら、娘をリリアンに預けたい」という。この申し出にリリアンは驚くと同時に、ジュリアの身の上に危険が迫っていることを悟らせる。
「アルザスのパン屋に預けている。ヨーロッパは危険だから」
二ヵ月後にあえるのだから、と思って赤ちゃんを預けてある詳しい住所はきかないで、別れた。

「松葉杖では目立つし、ゆっくりしていられない。あなたをワルシャワの駅まで仲間が送っていく。列車の中は、別の人が送っていく。さあ、行って」と、見張られているドイツ内の緊張した雰囲気を伝えている。
「立って帽子をかぶって、さようならを言って」
「リリー(赤ん坊)は、任せて」

 リリアンがワルシャワへ滞在中、列車の中でドイツ軍に没収された荷物が戻ってきたと思ったら、ドアの下にメモが、同志ジョン・ワトソンの名前で「ジュリアンが殺された」とあった。涙も出ないほど、情勢がめまぐるしく変わる。
その後、ジュリアの子供を捜して、アルザスの町のパン屋を一軒、一軒探すが、ジュリアが預けたパン屋が見つからない。

 失意で帰ったジュリアの祖父母の家に行ったら、祖父母は寝付いて、付き添いの家事を仕切っている人たちが、リリアンガジュリアが銃殺されて、孫娘をどうするか、相談したいのだと訴えても、追い返された。祖父母が、従業員が地下の狭い部屋に押し込まれていたその仕返しか、祖父母の報い009 がここに現れたのだろうか。

悲しい結末だ。それが最後、冒頭に舟を湖水に漂わせて・・・、悲しみの人生を語る 。ジ エンド。

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コメント

最近の映画かなと思ったら、1977年の映画なんですね。アカデミー賞にもノミネートされたとか。
ふむふむ、女の友情モノのようなので、女子会して女友達とみるのがいいかな^^

投稿: すっぱ | 2012年6月18日 (月) 03時38分

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