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2012年5月 4日 (金)

徳冨蘆花 正直が妻のヒステリー発作

 「嘘うそ」というテーマの随筆エッセイの中に伊藤整の一編があった。「ウソ」というテーマに「正直」ついて書いてあった。正直をいうと、その大きなダメPhoto_3ージが起きる話である。

  徳冨蘆花は、31歳で妻をめとった。
 彼は、故郷熊本でキリスト教の信仰を得て、熱心な信者であった。上京して「国民新聞」を主宰していた兄徳冨蘇峰02のもとで下働きしながら、小説を書いていた。
 彼のヒット作は「不如帰ほととぎす」である。
 モデルは大山巌(後妻山川捨松)の先妻の長女信子→浪子が嫁ぎ先から、夫武男が日清戦争中に結核で婚家を追い出され、病床で夫を恋い慕いながら、死んでいく。「あああ、人間はなぜ死ぬのでしょう! 生きたいわ!千年も万年も生きたいわ!」の名セリフが当時の流行語にまでなった。

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 徳冨蘆花は、結婚後、子どももできなかったこともあって、女中に手をだしたり、旅行先で女と関係をもたりで、品行方正な夫とはいえない行状であった。とはいえ、当時の男性は、この程度の女遊びはごく一般的であった。当時の多くの文士にしては、まだ可愛い小規模なものであった。

 それが、三十八歳になったとき、過去の不行跡な生き方を反省して、生き方を改め、完全なる自己改造をしようと、聖書を一冊もって、一週間塩原温泉へ行く。一週間温泉にこもり、生き方を新たにしようとした。

 それでも、解決がつかないので、東京へ帰り、妻愛子夫人に自分の過失をことごとく打ち明け、懺悔し、許しを乞うた。徳冨蘆花は、陰気な顔した大男であり、愛子夫人は小柄で従順な性格で、蘆花を尊敬し、逆らうことのない人であった。蘆花の告白を聞いて、大変ショックであった。
 

 蘆花は、気性が激しく、徹底的な人であったので、過去の過ちをすべて告白しただけでなく、もし機会があったら、犯したであろう悪いことをも語った。
 それを聞いた愛子夫人は、ヒステリーの発作を起こすほどのショックであった。そして、蘆花との生活は続けられないと、家を出る決心をした。

 正直という徳目は、道徳でも宗教でも重要な中心であるが、徳冨蘆花の徹底的な告白は、愛子夫人を打ちのめして追い詰めたのである。
 愛子夫人が家を出ると知った蘆花はあわてた。夫人のいない生活の惨めさを考え打ちひしがれ、泣き出し、「思い留まってくれ」と夫人に取りすがった。赤ん坊のような頼りない様子に、愛子夫人は母親のような感情に駆られ、夫蘆花を許すことにした。

 蘆花は自分の過ちや悪徳から救われたいと強く願いすぎ、正直の告白して、自分だけは正しい人間になって救われたいという、エゴイズムに支配された。この告白懺悔は、神か懺悔僧に言うべきことを生身の妻に言ってしまったのである。妻は耐えられなかった。

 蘆花夫妻はひどく苦しんだ結果、誘惑の多い東京がよくないと、伊香保温泉へ移り住んだ。冬の人気のない季節だったので、ほとんど無人の状態で、蘆花夫妻が向き合って過ごす時間が多かったので、夫人はあのことに話をしてしまうのであった。

「あなたは、まだ、あのようなことを考えているのでしょう?」
正直な蘆花は、「考えていないと言いたいけれど、正直なところ、時々そういうことを考える」と答えた。
 すると、夫人は、またキーッと言ってヒステリーの発作が襲ってきた。それは、まさに終わりなき長い地獄であった。(随筆「正直な夫」伊藤整から要約)

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コメント

はじめまして。
日本におけるペンによる個人リンチの源流は実はこの人なんじゃないかと思いますね。
好き放題に書いて個人の名誉を貶めといて罪悪感希薄。そういう文筆業の方は今もたくさんいますね。作家、文化人、マスコミ問わず。
不如帰問題については、捨松の最晩年にようやく謝罪があったけれど、その時の言がまたもうね。
あんな風にかかないと売れなかったしー、捨松さんはお気の毒でした、ってさw捨松さんたまりませんよねw
それにしてもエゴの塊ですねこの人。最もたちの悪い類のエゴイストかも。
自分だけ綺麗でいたい、自分だけ重荷をおろしたいってさ。
奥さんも気の毒だ。

投稿: 通りすがり | 2013年10月31日 (木) 16時40分

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