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2011年12月24日 (土)

日の名残り ストイックな名門家執事 評価A

Ws000006  日の名残り 英国名門家に執事として捧げた半生を回想し、職務に忠実なあまり断ち切ってしまった愛を確かめるさまを描いた人間ドラマ。
 原作は、英国在住の日本人作家カズオ・イシグロ(石黒一雄)がTVドラマ用の脚本を改稿した同名小説(中央公論社)。イギリスの日系人作家カズオ・イシグロのブッカー賞を受賞した同名小説をジェームズ・アイヴォリーが映画化。名優アンソニー・ホプキンスがストイックな執事を好演。格式を重んじる貴族社会の内情を、ロマンティックにしかもそれを否定的に描いた佳作。

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主演:アンソニー・ホプキンスと
   :エマ・トンプソン、
監督:ジェームズ・アイヴォリー、
脚本:ルース・プローワー・ジャブヴァーラ、
音楽:リチャード・ロビンス、
美術:ルチアーナ・アリジ、
衣装:ジェニー・ビーヴァンと、
92年カンヌ国際映画祭受賞作「ハワーズ・エンド」のキャスト、スタッフが再結集。

Ws000002 「日の名残り」映画(DVD)充実した作品であった。時代背景の流れがきちんと描かれて、その時代の国際会議が行われる屋敷(ダーリントン・ホール)の執事の目から、社会が見ている。時が流れるさまがうまく写し出され、人の動きが決まってくる。主人公執事スティーヴン、その下にいる女中頭ミス・ケントン(エマ・トンプソン)が場を得て生き生きと動いて、性格もよく見える仕掛けになっている。

 話は、平凡な恋心、男のセンチメンタリズムではあるにも関わらず、それがストーリーの中で生きて、視聴者の心にきちっりと収まる筋書きになった。執事スティーヴンとミス・ケントンが二人が結ばれてもいいし、このストーリーのように告白しないで愛し続けても、いい。二人が結ばれて、屋敷の一部を執事別邸を持たせてもらえたら、視聴者としては、ストレスが解消する。と、私は文学的に向かない、生活・人生派的な感想を持ってしまう。

動画:日の名残り★ 日の名残り (字幕)

3200 ストーリー外交使節で賑わった屋敷は使用人もほとんど去り、老執事スティーヴン(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。そんな折、以前屋敷で働いていたミス・ケントン(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンは彼女の元を訪ねることにする。離婚をほのめかす手紙に、有能なスタッフを迎えることができるかもと期待し、それ以上にある思いを募らせる彼は、過去を回想する。

1938年、第二次世界大戦の前夜、屋敷(ダーリントン・ホール)は政府要人や外交使節で賑わっていた。
Ws000004 執事スティーヴンは、勝気で率直なミス・ケントンを女中頭として採用し、彼の父親ウィリアム(ピーター・ヴォーン)を副執事として雇う。スティーヴンは女中頭ケントンに、「父には学ぶべき点が多い」と接し方に注意する。が老齢の父ウィリアムはミスを重ねる。父ウィリアムは仕事中に脳卒中で倒れる。スティーヴンが部屋に寝させるが、ミス・ケントンが医師を呼んだり、何くれとなく世話をやく。気の回る女性で、スティーヴンは彼女を右腕として頼りにしている。

(上の写真のシーン
メイドが来て、盆を下げていくシーンがあって、そのメイドを見て、「いいメイドに教育してくれた」とケントンに感謝した後の会話。
スティーヴン:一体何の話ですか。
ミス・ケントン:リジーは美人ですわ。
:美人?
:あなたは美しい娘は雇わない。ご自分の気が散るから敬遠なさるの?あなたも生身の人間でご自分が信用できない?
:そういうくだらない話に耳を貸したくありません。
:バツの悪そうなお顔よ。
:あまりにバカげた話なので、笑っているのです。
:スジーが可愛い娘なので・・・、あなたはまともに顔も見ない。
:そう思うなら、どうぞ、ご自由に。(と、建物に入る)
:ウフフ・・。

3248  スティーブンはミス・ケントンに感謝もしている。しかし、仕事に情を入れない、個人的な感情と仕事は別とわりきる。ケントンがスティーヴンに好意を持っている様子が徐々に出ているが、それに気づかない振りで通す。職場で恋愛問題を起こしてはいけない、という考えで通す。そのあたりが、几帳面な人柄で、それで一生を通してしまう。

 屋敷の持ち主ダーリントン卿は、第二次大戦後のドイツ復興の援助に力を注ぎ、非公式の国際会議をホールで行う準備をしていた。会議で卿がドイツ支持のスピーチを続けている中、病に倒れたウィリアムは死ぬ。
 3179 1936年、卿は急速に反ユダヤ主義に傾き、ドイツを追われたユダヤ人の女中たち、いったんは雇いいれたが、その後卿は「解雇する」と執事スティーヴンに告げる。当惑しながらも主人への忠誠心から、スティーヴンは「解雇せよ」とケントンに命じる。それに対して、ケントンはスティーヴンと卿に激しく抗議した。2年後、ユダヤ人を解雇したことを後悔した卿は、彼女たちを捜すようスティーヴンに頼み、彼は喜び勇んでこのことをケントンに告げる。彼女は彼が心を傷めていたことを初めて知り、彼に親しみを感じる。

 3236 ケントンはスティーヴンスへの思いを密かに募らせるが、彼は気づく素振りさえ見せず、あくまで執事として接していた。そんな折、屋敷で働くベン(ティム・ピゴット・スミス)からプロポーズされた彼女は心を乱す。最後の期待をかけ、スティーヴンに結婚の決めたことを明かすが、彼は儀礼的に祝福を述べるだけだった。

 その日は忙しいので、ケントンに手伝いを頼もうとしたが、
ミス.ケントン:木曜日は私の休みの日ですが、もしお手伝いが必要なら 
3245 スティーブン:いいえ、いいです。(部屋を出て行こうとすると)
ケ:Mr.ステーブン
ス:Yes 
ケ:あなたにお話が。友人と今夜会うのです。ベンさんですが、求婚されたのです。私迷っています。(I'm thinking about.)
3247ス:なるほど(I see.)。
ケ:彼は来月故郷の西海岸へ帰ります。返事に迷って いますの。そのことを言っておきたくて。 
ス:わかりました。ありがとう。では、どうか、楽しい夜を、ケントンさん。
 部屋を出て行ってしまうスティーブン、その姿を見て、ケントンは憮然として見送る。取り付く島がなく、ケントンは呆然と見送る。スティーブンは、彼女の
言葉に呆然としながら、仕事を果たす

ステーブンがワインセラーに来ると、その足音を聞いて、ベンに会ってから3237 帰ってきたミスケントンが顔を出し、話しかける。
ケ:ステーブン、さっき言ったことは気にしないでください。
ス:はい。ケ:バカなことを言いました。
ス:私は気になどしておりません。何を言われたのかも覚えておりません。
ケ:私がバカでした。
ス:ここであなたの相手をしている閑はありません。お疲れでしょうから、休まれたほうがいいですよ。
 戸を閉めたあとから泣き声が聞こえる。

ワインを取り出してから、ケントンの部屋のノブを廻して入る。(泣き声)ケントンはステーブンが優しい言葉をかけてくれるか、婚約をやめるようにいうか、期待してるのが見えるが、
3242 ケントン:スティーブンさん。
スティーブン:ケントンさん、すっかり忘れていました。朝、食堂の隣の小部屋ですが、新しいメイドにホコリが残っていたと注意を。
3244ケ:注意しておきます。
ス:ありがとう。それを言い忘れていました。
 あまりにも、女性の気持を無視した、あるいは気づかなかったスティーブンに愕然としてしまう。さらに激しい嗚咽になる。

 これが二十数年前の別れであったが、
 最近得ケントンから手紙をもらい再びこの屋敷で働くことができないか、というものだった。そして、20年ぶりに再会した2人。残念なことに、事情が変わっていた。「孫が生まれるため仕事は手伝えない」と言うケントンの手を固く握りしめたスティーヴンは、彼女を見送ると、再びホールの仕事に戻った。

 まじめな仕事熱心な男が犯しがちな失敗かもしれない。もっと自分がしっかりしてから求婚したらいいと、手も握らないで時間を過ごしてしまう。アノ子、押せば、触れなば落ちるのに気づかない男の鈍感さ、一杯あるかもしれない。いや、いや、女の気持は永遠にわからない・・・

 今は、重たい女は嫌われると、女の気持が軽く見える。でも、本音は同じだろう。今の20代30代男性なんか(もちろん女性も同じだが)、その気になれば、60代、70代からみたら、男女間の環境、意思伝達手段は充実で、その気ならパラダイスではないか?待ち合わせも、携帯で会えなかった失敗はないし、顔みながらの電話もできるし、タダ電話も可能である。それがゆえに、手紙のよさを知らないで過ぎているかも。人間の中身の問題は、かわらないから、イヤな男はいつの時代でも、イヤなもの。好かれる人にならないと、もてないんだよ。

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