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2011年3月 4日 (金)

境界性パーソナリティ障害 医療の遅れ

0596 境界性パーソナリティ(人格)障害の原因はわかっているようで、まだまだよくわかっていない。「境界性パーソナリティ障害」って、名前が長いし、中身がわかりにくい。特徴的なことは、自分の腕をカッターで切りつけて、周りの関心を自分にひきつける。これをリストカット、あるいは自傷行為といっている。以前は、その人たち、病人だとしていなかった。

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0595  境界性人格パーソナリティ障害
①感情のジェットコースターで変化が激しい。
②自傷行為が多い。
③凄く親しくなったと思ったら、次に会うと疎遠になっている。

専門家の分析は、次のようになっている。
1.情動の調節不全
2.対人関係の調節不全
3.自己の調節不全
4.行動の調節不全
5.認知の調節不全など、

0617 流れとしてまとめてみると、
ある出来事に接し→
②怒りや悲しみなどの感情
コントロールが出来ず、人に寄りかかる→
④感情的で人との関係が成立しない
⑤人が敬遠する気配で不安になる→
⑥どうして良いか分からなくなる
⑦自殺等の衝動的な自己破壊行動
⑧ボーッとして自分が分からない
というようなものです。

 私の教えた塾生(高2の女子)A子がそれをやっていた。その子から相談を受けて、担任(女教師)の家まで電話して「A子がリストカットをしたようですので、先生、どうしましょう」と相談したことがある。先生はすでに、何回か、リストカットして迷惑かけられていたのか。「A子は致命傷になるほどは切りません。放っておいても大丈夫です」と突き放されてしまったが、確か、よく見ると、致命傷になることはしていない。まわりの関心をひきつけるのが目的のようにも見えた。

0600 NHKクローズアップ現代で「境界性パーソナリティ障害」を取り上げていた。最初の症例となった19歳の女子は、典型的なリストカッターだった。すでに300針も縫ったと説明があった。

自分の激する感情を自分ではどうすることもできず、母が娘にはしゃいでいたので「わざとやっているの?」と一言言ったら、「私が邪魔なんでしょう」と激して、死んでやると、シートベルトで首を絞め始めた。この子、ひょっとして小中学生で「反抗期」がなかったのかもしれない、と感じた。

感情が高まって、前後わからなくなると、衝動的に腕を切ってしまうと本人がいう。切ることで一時的な安心のような何かがある。医師は「この種の患者は、感情がジェットコースターに乗っているように上がり下がりがはげしい」と説明した。

0602 二例目の女性は、今生きていれば25歳のかわいい女性。19歳で自殺した。高校卒業後、第一希望の企業に就職したが、3ヵ月後に気分が落ち込み、会社へいけなくなったので、休職して治療に専念し、週に1回のペースで精神科へカウンセリングに通ったが、効果ななく病状が重くなる一方であった。

0604 父の手帳には「K子、夜激しく泣く、トンプク3回」広い砂漠に一人置き去りにされたような絶望感が襲うのらしい。片時も家族が目を離せないで、そばにいて、眠るまで妻がつい添っていた。「死なせてほしい」と叫んでいた。「死にたい」ではなく「死なせてほしい」と叫んでいた。感情のコントロールができないなり、遺書には「ごめんね」と書いてあったが、謝ることは何もないのにと父は語っていた。

K子はかわいらしい子だから、普通にいけば、みんなに好かれる子だ。それが、自分の側から好きだという気持ちをもって、アプローチすると、相手の反応が自分の期待するようには動いてくれない・・・と思い込むと、それが大きなストレスになる。精神的に打撃を受けたことのない子には、会社へ行くことが負担になる。ほかの事も加わると、自分の体が動かなくなるかもしれない。

塾生A子の場合、父と母は離婚していて、暖かい家庭という雰囲気がない環境に育ったことが素地にあって、ある日、クラスメートの男の子と海岸で語り合っているうちに「家に帰りたくない」と感情が高ぶって。たぶん男の子が慰めているうちに夜が更けて、父と担任が大騒ぎして・・・という経緯で、教室に出席できなくなった。男の子に対する感情もからんで、リストカットに進んだようだった。

境界性パーソナリティ障害は、
①見捨てられる不安
②怒り、感情に押し流される。
 20代、30代の発症が一番多いそうだ。40代、50代になると、年齢とともに人間が多角的に考えられるようになり、自殺を考えることは少なくなるという。

0610 原因の解明がいまだに十分に行われていないが、新しい研究が進み、かなりわかるようになった。たとえば、脳の機能異常反映している。逆に、社会文化的な要因があるのと言う見方がある。その理由として、先進国に多く、発展途上国には少ない。都市部に多く、田舎地方には少ないなどの理由から、社会文化的な要因が関与しているのではないか、と推測されている。

私なりに考えると、にわとりがケージに多く詰め込まれた場合、遠慮がちで自分の自由が利かない状態が続くと限界になり発症する・・・、がその限界が、各人の養育過程でキャパシティの大きい、小さいができているように感じる。社会から受ける刺激も条件の一つでもある。

具体例として、失恋、借金生活苦、いじめ、入試の失敗、就職活動の失敗、裁判問題等、引き金になる原因は数限りなく存在するようだ。これをみると、発展途上国より先進国、田舎より都会に多そうだ。

0608 無視してならないのが、養育環境である。養育環境が劣悪であると、人によっては境界性パーソナリティ障害は発症しやすい。環境を反面教師として乗り越えてくれば、精神は強くなるはずだ。おおむね、20~30歳過ぎれば、境界性パーソナリティ障害は緩和してくる。年齢と時間は、この病を治す力がある。

どのくらいの人が境界性パーソナリティ障害を発症するか、その研究は進んでいないから、日本ではわからないが、欧米の研究では、約1~2%、100人中一人か二人、と考えられる。自殺者未遂の割合がそれにあたる。

日本では、この境界性パーソナリティ障害の治療体制がまるでできていない。治療に手間が掛かる割りに、収入にならない割りの悪い仕事と思われている。子供のころから、必死に勉強して入試を勝ち抜いてきた立場からすると、採算が合わない。この経済問題が厳然としてある。医師に採算度外視の「赤ひげ先生」役を押し付ける・・・というわけにはいかない?

医師の立場からすると、患者が突然診察室から飛び出して、川に飛び込んだとか、ビルの4階から飛び降りたり、ガラスを割ったとか、トラブル続きで、境界性パーソナリティ障害の患者はコリゴリだと医師はいう。医師個人の立場からすれば、理解できないわけではないが。

0612 このクローズアップ現代の取材担当記者(女性)は、オーストラリアの取り組みを紹介していた。オーストラリアは、国自体の自殺防止と言う観点から「境界性パーソナリティ障害」の治療にかかわっている。臨床心理士と医者がチームを組んで、じっくりカウンセリングを施し、12年前この体制を作ってから、2500人を自殺の危機から救った。臨床心理士のカウンセリングで、大体二年くらい過ぎると、感情のコントロールが自分でできるようになり、自傷行為はなくなるという報告していた。

0614 日本では、まだまだ、医師の占有範疇で、臨床心理士の数が少なく、保険制度の点数が少ないとか、制度的にも、時間のかかるカウンセリングのメリットが生かされていない。

0609 だから「境界性パーソナリティ障害」の治療を患者が求めても、断る病院は多い。病院側がやる気がない。かかわりたくないという医師が多い。患者の家族は悲しい思いをしているらしい。

参考  母のネグレクト、虐待を受けた人へ  うつ原因はテストステロン欠乏 ストレスは 寿命を伸ばす良薬?!  窓を開ける健康 外気を楽しむ 生老病死をどう受け止めるか  宮本亜門 引きこもり少年から脱出    初老期うつ病 定年期うつ病 うつ認知行動療法 大野裕慶應教授 増加する「引きこもり」現象 森山風歩 虐待と筋ジスからの出発

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