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2010年10月 9日 (土)

前田検事にみる中堅社員の切なさ

02 日刊ゲンダイに「中堅社員の切なさ」と題して、地方出身で、二流大学卒の前田検事が、エリートの中にまじってがんばって組織に忠誠を尽くした末、起こした事故から組織に切り捨てられる切なさを一般の中堅30代、40代社員に置き換えて書いてあった。ありがちな話ではあるが、記事の着眼点に敬服する。

「あの前田検事(43)は、大阪拘置所の中で何を思っているのだろうか」

彼は、証拠であるフロッピーの書き換えを正直に最高検の取調べに答えて自白している。

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「父親は海上保安庁を定年まで勤め上げた苦労人。息子の彼も家計の負担を考え、広島大まで呉市の自宅から片道1時間半かけて通学した。同大学の偏差値は57.5、旧帝大はおろか、中央大、立教大、明治大に及ばない。法曹界では二流の位置付けだ。」

彼の出自から、苦労を感じさせる。法曹界に入っても、エリートが草の根から出てきた人材を蔑視しているのか、と思わせる。

「しかも、三年浪人してようやく司法試験に合格。これだけでも、エリートたちからは壁ができる。終電が過ぎてもガムシャラに働いた。ようやく主任検事という、”現場リーダー”のポストをつかんだ矢先だった。」

彼のガムシャラ振りが目に浮かぶ。その懸命に働く彼に目をかけてくれたのが、上司大坪道弘(54)前大阪地検特捜部長である。「たぶん、だろう、であるが」、目にかけてもらった前田検事は、意図を汲んで、大坪部長の筋書きに沿う捜査をやるウイやつだったのだろう。大坪部長には手放せない部下であったのだろう。

Crm0810032157035p1新任会見で抱負を語る大坪弘道 大阪地検特捜部長 大坪 弘道(おおつぼ ひろみち):日本の検察官。大阪地方検察庁特捜部長、京都地方検察庁次席検事を経て、大阪高等検察庁総務部付検事。
 鳥取県八頭郡智頭町生まれ。生まれ育った山間の町を出て高校時代から下宿生活を送る。中央大学法学部卒業後、28歳で旧司法試験に合格し、最高裁判所司法研修所司法修習生に採用される。司法修習修了後は、当初弱者救済のための弁護士志望だったものの、中央大学の先輩の薦めで1984年検事に任官。同期に堺徹東京地検特捜部長、北島孝久元東京地検特捜部副部長等。彼は情熱的とされる一方、気分屋とも評され「瞬間湯沸かし器」と呼ばれた。大阪地検特捜部長時代は、温厚な性格の佐賀元明副部長との名コンビで知られた。検察官時代は、毎朝仕事前に冷水を全身に浴び気合いを入れて出勤していた。同僚や上司からの愛称は「つぼやん」。愛妻家で二男、一女。趣味はハイキングで花を観賞すること。

8963_2 「犯人隠避で自分が逮捕された途端、『前田が勝手にやったこと』と、シラを切っている。(障害者割引郵便事件では)前田は現場のリーダーではなく、現場の兵隊だった。」

前田の証拠改ざんがクローズアップされたのは、同僚検事の告発である。その名前が新聞にでることがなかったが、「ゲンダイ」では書いてある。

「悲惨なのは、同僚を告発した女性検事も同じである。官僚組織の常とはいえ、告発者の塚部貴子(41)も、今年4月に特捜部から公判部へ”左遷”させられている。日本には内部告発を保護する立派な「公益通報者保護法」が存在するが、検察内には、そんな常識はない。おそらく、彼女は、終生、同僚を刺した人と色眼鏡で見られるのだ。」

前田検事の不正を知った同僚検事の行動がいまいちわからないと思っていたが、はっきり知っている人のブログを見つけた。

1月末に、國井検事と同公判担当の塚部貴子公判検事と公判部主任検事の三人が、佐賀元明特捜部副部長(当時)と大坪弘道特捜部長(当時)ふたりに前田の証拠改竄の不正を内部告発した。
さらにこの件は大阪高検上層部に伝わっていたはずなのに、前田の処分は一向に行われず、対応策
もでてこない。そこで怒りが頂点に達した二人の検事周辺がマスコミにリークした。
 朝日新聞が独自にFDを入手してシステムセキュリティ会社に検証依頼、結果改竄が裏付けられたと
して、9月21日朝刊スクープとなった。

塚部貴子公判検事については、独身美人検事で通っており、"潔癖症"と言われるほど凝り固まった性格で、仕事もバリバリこなすタイプとのこと。この郵政不正事件でももともと特捜部だった。関係者の聴取をしていたのだが、前田と捜査方針を巡って対立し、公判部へ飛ばされた、と報じられている。

國井検事は、キムタク風ロン毛で検事には珍しいタイプ。前田とはソリが合わなかったとか、過去さいたま地検熊谷支部で暴力団絡みの事件を担当、そのとき組長からの依頼を取り計らい銃刀法違反事件の捏造未遂で新聞沙汰になった事実がある、とも書かれている。

日刊ゲンダイの記事では、三年前のミートホープの事件の告発者赤羽喜六(75)氏のコメントを載せている。「組織の一員として、給料と人事権をにぎられていると、正義感だけだは通用しません。当時、ミートホープの社員全員、食肉偽装を知っていましたが、告発する勇気まではなかった。

検事は辞めれば弁護士になれますが、それでも前田を告発するのは難しいでしょう。私はむしろ、前田は犠牲者だと思っています。彼は組織を守るため、上司の大坪に気に入られるため、特捜全体の筋書き通りに動いていた、のかもしれない。

ただ、知って欲しいのは、(組織は)自分を守ってくれないことということだ。それは、京都地検次席検事にまで出世した大坪も同じです。案の定、大坪も逮捕され、トカゲのしっぽ切りにされている。彼のその上の上司を守るためです」

前田を笑い、大坪を笑うのは簡単だが、すっきりしない。「無難に粛々と仕事をする人が生き残る世の中です。」

「前田と同じ40代、就職氷河期の就職した30代後半、組織への忠誠心が強いですが、組織の頼りなさは肝に銘ずべきです」そして、「卑しい上司を守るために犠牲になる必要があるだろうか。」と、日刊ゲンダイは結んでいる。巨悪は眠る、か。

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コメント

特捜部は冤罪創作部ですね。今までの事件、殆ど無罪だな。特捜事件こそ裁判員裁判にしたらいいさ。

投稿: ざき | 2010年10月17日 (日) 22時41分

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