« ゲイツ氏、東芝と原発で共同開発 | トップページ | 丹羽宇一郎 仕事学 人間力養成術 »

2010年4月 1日 (木)

遠まわりの雨 山田太一作品を見て

0065 0039 山田太一作品は、『夕暮れて』(NHK総合、1983年)、『まだそんなに老けていない』団塊世代(2007年)に共通するのは、中年の恋がテーマになっていることだ。

☆今後とも、励ましクリックよろしくね!
   ↓   ↓

人気blogランキングへ  ご感想  お書きください。

31 それでも、今回は「今だけ、恋に落ちよう」と女性(夏川結衣)に言わせて、やっと唇を重ねる。まどろこしい。山田太一の持ち味というか、日本の古い倫理感がブレーキ掛けているのだろうか、このワクに捉われて、恋が前に進まないまどろッこしさがある。1960年代のヨーロッパ映画がこんなだった印象がある。だからといって、テレビに写せないようなシーンを展開されても、困るが。

0041 ストーリー主人公は、地方都市の元職工の中年男、福本草平(渡辺謙)。ある日彼のもとに、かつて勤務していた金型工場の女主人=昔の恋人、秋川桜(夏川結衣)ががやってきた。「脳卒中で夫=秋川が倒れた。夫を助けて欲しい」
 かつての女からの哀願に、複雑な思いの草平。かつての同僚である夫と恋人のために奔走する。しかし20年ぶりの再会は、転がり始める二人の心。家族を思い、揺れる気持ち。その結末は、一体どこへ向かうのか―――

福本草平(渡辺謙)は、桜(夏川結衣)の申し出を断るが、古巣の仕事である、自分の技術を試せると思い、秋川精機へ様子を見にきてしまう。現在のホームセンターの販売主任の仕事は客にペコペコ頭を下げる仕事は性ショウに合わないから、昔の仕事で自分の力を試したかったのだ。

一日試して、やれるか見極めたかった。かつての同僚で桜(夏川結衣)の夫は、この仕事を始めたとたんに脳溢血で倒れて病院でリハビリ中だった。その手伝いでと思ってもいたが、かつての恋人桜に会えるのも、理由の一つかもしれない。

一日働いて、近くのビジネスホテルに投宿していた。そこへ、桜が訪ね、「ぜひ手伝ってほしい」と再度頼む。家に帰って勤め先と妻に断りをしてくるか、と桜は思っていたら、草平(渡辺謙)は電話で済ます、という。それを桜は自分への好意と受け止めた。

0069 カウンターに二人並んで
草平(渡辺謙)「来てみたら、帰りたくなくなった。」
(夏川結衣)「帰りたくないなんて、うれしいー・・・また言うけど、しばらくぶりね。」しばらくして「行く?」
草平「うん?」
 「部屋、取ってあるんでしょ?」
草平「うーん」
 「行く?(間)もともと起一より草平さんが先だった。こんな急な話、きょうは見に来てくれて、ホントうれしい。その上、帰らないでいてくれて。結果、ダメでも会えてよかった。行こ、部屋へ」
草平「行きたいけどね」
 「私も」
草平「(息荒くして)起一が倒れて、オレが助っ人に来て女房とできたんじゃ、あんまりだろう」
 「そう言うと思った」
草平「(声がかすれて自嘲気味に)バカヤロー」
 「(笑う)」

桜には、結婚でも草平を振って起一に乗り換えるだけの積極性があるから、いうことが大胆。作者山田太一の願望であるもかもしれない。『夕暮れて』『そんなにふけていない』でも、奔放な女に男が振り回される。そういう男と女の関係がパターンになっている。

田中美佐子が演じる草平の妻も、夫に構ってもらえないとどうなるか、それを上手に描いていた。電話だけで、会社を休み、家庭での父親の役目をサボタージュ。すると、秋川精機へ乗り込んでくる。

0077 草平の妻「私にだって、カンとものがある。この人とあんた、何かあるでしょう。ただの知り合いのはずがない」
草平「短い間だけ。それ以上のことは何もない」
妻 「いいわ」と出ていく。
 「(追いかけて)奥さん、奥さん。あと4日」
妻 「みなさん、この二人が妙なことにならないように、見張っていてください・仕事だけしているように」
草平「当たり前だ。なにもない」
 「信じて、奥さん」
妻 「これ以上さわぐと、惨めだから、帰ります」

草平の妻は、桜と草平の側から見ると、始末悪い女だが、彼女自身の立場からすれば、昔の彼女、しかも関係があった女となれば、心穏やかではない。その反動で衝動買いでデパートめぐりしてブランド洋服などを買いあさり、子供に当るとか、さまざまな行動をしている。

仕事が順調にいったらよかったが、最後に若者がやったコンピュータで設定した図面で金型がきちんとできて、仕事は終わる。そうすると、鳴り物入りで草平に来てもらったが、その意義が何もない。草平の落胆たるやめっちゃ大きいわけだ。YOU扮する町の女に「一人でいたくない気分なの。キケンじゃないし、高くない」と誘われるが、かろうじて踏みとどまっているが。

終盤に、桜が草平にカネを払う。、宿泊費用も食事代も払ってもらっているから、源泉引いて…と言って、100万円の封筒を持ってきた。

草平は妻に「いくらもらうのか」としつこく聞かれていたし、彼自身は自分の仕事は結局役立たなかったと自信をうしなっていたから、請求する気力がなかった。それはそれで、妻にウソついて、桜は桜でウソついて出てきた。そして鎌倉で落ち合い、二人のデートになった。

鎌倉の大仏を見て、長谷観音を回ったのち、鎌倉由比の海岸で二人は黙って海を見ていた。

0039_2 草平「娘もいて、女房もいて、カネも受け取って」
 「何がいけないの?」
草平「ナンパする元気もない」
 「して・・・。ナンパして」
、草平ににじりより胸に抱きつく。
 「こうしたかったの」
草平、空を見て「雨が」
 「いい、雨だっていい」
抱擁したまま雨に濡れている。

0046 江ノ電極楽寺駅ホームで抱き合ったまま
草平「お互い、いい年だ。先が読める。何も無い方がいい。入院した旦那からケネ受け取って、この先へ進むのは、・・・」
 「あんまりね」(草平の口癖をまねる)
草平「あんまりだとあまりだと思ってしまう。夫婦でも、今更変らない。意気地ない」
 「言うと思った」
草平「そうか」
 「うん、今だけ」
草平「ウン?」
 「今だけ、恋に落ちよう。電車くるまで。電車のるまで」ひしと抱き合っている草平と桜。

山田 太一(やまだ たいち、1934年6月6日 - )本名は石坂 太一:脚本F0089391_16382699家、小説家。。東京都台東区浅草出身。神奈川県足柄下郡湯河原町に疎開により家族で移住。神奈川県立小田原高等学校を経て、1958年に早稲田大学教育学部国文学科を卒業。
教師になって休みの間に小説を書きたいと思っていたが、就職難で教師の口がなかった。就職課で松竹大船が助監督を募集していると知り、松竹を受験、入社後、木下惠介監督に師事。木下には現在も敬愛の念を抱いている。
1960年代前半から、木下恵介の映画をテレビドラマに脚色する仕事を始めた。 1965年に退社して、フリーの脚本家になる。
『それぞれの秋』(1973年)『男たちの旅路』『車輪の一歩』『岸辺のアルバム』(1977年)1980年に大河ドラマ『獅子の時代』『想い出づくり』(1981年)『沿線地図』(1979年)『早春スケッチブック』(1983年) 『ふぞろいの林檎たち』(1983年)夕暮れて(NHK総合、1983年)ふぞろいの林檎たち(東京放送、1983年)冬構え(NHK総合、1985年)1988年に、小説『異人たちとの夏』まだそんなに老けてはいない(テレビ朝日、2007年) 2009年の『ありふれた奇跡』遠まわりの雨(日本テレビ、2010年)

こころ打つドラマなど① 映画おとうと 吉永小百合の魅力   龍馬伝 坂本龍馬 武市半平太 吉田東洋 浅田次郎シューシャイン・ボーイの生き方 松本清張「書道教授」脚本ジェームス三木 遠まわりの雨 山田太一作品を見て  「冬構え」(1985年)NHKアーカイブス  檀れい 八日目の蝉 なんか心痛い  松本清張「書道教授」脚本ジェームス三木  NHK帽子 田中裕子と緒形拳  遥かなる絆 養母の魅力 一身独立一国独立 坂の上の雲   

こころ打つドラマなど② チャングムの誓い 韓流ドラマの魅力「Always三丁目の夕日」を見た  三国連太郎 恩師木下恵介から学ぶ  隠し剣 鬼の爪   「母べえ」戦前の日本がよく見える  市川崑監督追悼番組 「赤西蠣太」  バルトの楽園 推賞映画   火垂るの墓 11月2日TV  たそがれ清兵衛  武士の一分 妻加世の魅力  

こころ打つドラマなど③ 硫黄島からの手紙 映画館で見た 武士の一分 妻加世の魅力  風の果て 大人が満足するドラマ  西の魔女が死んだ サチ・パーカー  奇跡のシンフォニー August Rush     杉原千畝の決断 TVドラマ  同窓会ラブ・アゲイン 期待する?  ウエルかめ 総集編を見て  まだそんなに老けていない団塊世代(2007年)

☆今後とも、励ましクリックよろしくね!
   ↓   ↓
人気blogランキングへ  ご感想  お書きください。

|

« ゲイツ氏、東芝と原発で共同開発 | トップページ | 丹羽宇一郎 仕事学 人間力養成術 »

コメント

山田太一!懐かしいです。「想い出づくり」大好き。今のドラマに違和感があるから、まどろっこしい位のストーリー展開がいい。向田邦子が生きていたらどんなドラマを書いていたかなってふっと思いました。

投稿: なお | 2010年4月 3日 (土) 05時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ゲイツ氏、東芝と原発で共同開発 | トップページ | 丹羽宇一郎 仕事学 人間力養成術 »