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2010年3月24日 (水)

浅田次郎シューシャイン・ボーイ 生き方

0718_2 原作浅田次郎の「月島慕情」(文藝春秋社刊)のなかにある「シューシャインボーイ」のテレビ化した作品を見た。なかなかの良作だった。作中人物もよく描けていたし、社会への訴えも見て取れる。12ch開局45周年記念番組。

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鈴木一郎・・・・・・・・・・・・・西田 敏行
鈴木園枝・・・・・・・・・・・・・星 由里子
塚田文雄・・・・・・・・・・・・・柳葉 敏郎
塚田敬子・・・・・・・・・・・・・安田 成美
志津子   ・・・・・・・・・・・・・余 貴美子
鈴木菊治・・・・・・・・・・・・・大滝 秀治

西田 敏行扮する社長に向かって、柳葉敏郎の運転手がタンカ切って言い募っている場面がクライマックスのようだ。

Cast02Cast01柳葉「夕日も青空もなくなった子供時代、遊び場をクルマに追い回されてオレたちは育ってきた。男なら高いところに立って世間を見下せ。そういうガンバリがそういう世間を作ってきたんじゃないか。
 欲しいものを全部手に入れてから、人間何にもねぇのが一番いいのだ、なんていわないでください。昔を懐かしがって、全部をきれいごとにしないでください。今の世の中を作ったのは、社長たちです」

Cast05_2 西田「じゃ、テメエは、どんな世の中を作ったんだよ。人のコトを言うのは簡単だよ。じゃ、テメエたちは、どんな世の中を作ろうとしてんだよ。バカキャロー!」といって、レッドシューズ(バー)のママ余 貴美子の店を飛び出す西田 敏行。それを柳葉敏郎が追いかけていく。
 「放っておきなさい。世の中、どっちが作ったとか、どうかとか。男ね。不満が溜まっていたの?アイツに。」
柳葉「なんか、うらやましくて」
余 「うらやましい?」

男同士、社長と運転手との関係、年齢差、過去の見てモノの差、で対立する関係。それを女としての目からの冷静さが、クリアに出ている。余喜美子の言葉が男会話から違った女の観点を見せて、問題点をはっきりさせてくれる。

余喜美子情報:横浜の友人宅へ行ったら、「このマンションに、余喜美子、彼と住んでいる」と聞いた。「留守がちだけどね」

浅田 次郎(1951(昭和26)年12月13日 - ):日本の小説家。本名、岩戸 康次郎(いわと こうじろう)。血液型はA型。
自衛隊に入隊、のちアパレル業界など様々な職につきながら投稿生活を続け、1991年、『とられてたまるか!』でデビュー。悪漢小説ののち、『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、『鉄道員』で直木賞を受賞。時代小説やエッセイのほか、『蒼穹の昴』『中原の虹』などの中国歴史小説がある
鉄道員(ぽっぽや)蒼穹の昴・中原の虹 主な受賞歴 第117回直木三十五賞 第42回吉川英治文学賞(Wikipedia参照)

浅田次郎の作品は、切り口のデパートだといわれるくらい、この「 シューシャイン・ボーイ」、出だしは、競馬の出走シーンから始まる。競馬にも詳しいそうだし、食品業界の内部事情にも通じている。戦後生まれにもかかわらず、戦中の空襲や戦後の進駐軍の話も書いている。

ストーリー塚田文雄(柳葉敏郎)の以前の仕事は地銀の課長職。都銀との合併時に、部下や同僚の肩たたき役を命じられた。塚田は、組織や人の冷たさを感じ“こんな世界で生きてきたのか”と、出世コースが約束されていたにも関わらず自らも退職。半年前から、食品会社「アカネフーヅ」の社長・鈴木一郎(西田敏行)のお抱え運転手として働いている。

ガサツに見えて繊細で、剽軽なところもある一郎。ころころ態度が変わる一郎と毎日を過ごすうちに塚田は、人の温もりを感じるようになり、今では帰宅後、妻の敬子(安田成美)にも楽しそうに仕事の話をするほどになった。(引用)

テメエたちは、どんな世の中を作ろうとしてんだよ。」西田扮する社長の叫びは、作者の浅田次郎の気持ちが出ているのかな。アメリカの空襲で焦土と化した新宿が復興したのも、必死となって努めた結果、そう年配者は思うわけだ。焼け野原になった国土が、かように超高層ビルが立ち並ぶ姿は想像できなかった。

0724_20722 日本の焦土だった時を知らない世代は、現状が当たり前だから、過去を懐かしむとか、過去に青空や緑の多い里山を想像したり、そこで遊んだ世代へ思いを馳せるなんて、それは言ってみれば、バーチャルの世界だ。

現状のあくせくした世界で、いかに要領よく生きていくか、それが現在の生き方になっている。現状から出発した次世代の連中への苦言がそこにある。

60代から70代の生き様には、高度成長時代のあくどさがあるが、真面目に突っ走るのが「善」だった。その価値観が今の世代には受け入れられない。それが柳葉敏郎扮する運転手の世代である。

Cast06 見ていてわかりにくいのが、西田が5歳のとき、空襲で火の海から助けてくれた大滝秀治が扮する傷病兵の生き方だ。彼の部隊はニューギニアで全滅して、怪我して内地引き上げの船まで沈められたが、彼大滝秀治は「オレが生き残って申し訳ない」という気持ちで、生きている。戦友に引け目を感じている。

息子にした一郎が社長になっても、親父である大滝秀治扮する元軍人はずーっと靴磨きに徹している。それでいながら、「地にはいつくばって靴磨きはオレだけでいい。お前は高いところから人を見ろ」と、一郎には靴磨きはさせない。一郎が成功しても、彼の世話にはならない意地を通す。コレ、今の人に理解できるか?真面目な旧軍神は、楽してしまおうと思わないんだ。

Photo実際例として、こんな人がいる。自分に戦死した仲間や部下への思いが、自分をしばりつけ、家から一歩も出なかった元部隊長の中尉は、90いくつまで、息子が病院開業しても、祝い事でも家に引きこもっていた。それを自分に課していた。兵隊でも、実戦部隊の小隊長クラスが一番真面目だ。キャリア組のトップへいくほど、その生真面目さがない。 

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