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2009年11月16日 (月)

恩地派か、行天派か、「沈まぬ太陽」

00004「沈まぬ太陽」で、組合の委員長を務め、みんなの利益を代表して会社の方針に逆らい、自身の昇進を閉じてしまう恩地。もう一人は、途中まで恩地と行動を共にした副委員長だった行天、彼は会社上部から昇進という餌と交換に組合運動から身を引いて、会社方針に従順になっていく。

恩地 元(渡辺謙)…小倉寛太郎 (実在モデル)
行天四郎(三浦友和)…複数の人物をまとめたモデル

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0400006渡辺謙が友人から聞いた話では、「オレは、恩地50%、行天50%が自分の中にある」と。この葛藤が多くの人の心にある。しかし、恩地のように行動を実行するには、行天50%が内部にあれば、行天的要素が勝つだろう。

人は自分の身ひとつで行動できない。家庭を守り、子供を育てるにのは、行天的50%の要素があればこそだ。会社、組合、みんな公の仕合せ願う恩地的要素は50%では、エネルギーが不足だろう。恩地部分がもっと、もっと強くないと、家庭を犠牲にして実行できない。

若さゆえ、社会の矛盾に目を向けて、正義感で、社会悪の元凶と戦うと必死に活動をし続けたとしょう。そして、ある時期に来て、就職といいうときに、社会悪との戦いを左翼運動とすれば、その運動をどこで手切れとするか、という問題になる。多くの人は、この二者択一の岐路に立たされる。この岐路に立たなかったら、幸せというか、無知な人生だ。

中国の人民公社や、第何次計画経済で、国家を建設するソ連の成長を時代背景に(昭和20年代に)教育されると、社会主義は理想の社会に見えた。社会主義を口にしない先生は、遅れている。あるいは食い足りない、無思想の先生に見えた。その中で教育受けると、日米安保をバックに大企業を太らす日本社会のあり方は、国民の利益に反する社会構造だと思う。まあ、私たちの結論はこうなる。

学生運動する連中はそのような思想を頑なに信じて活動していると思っていた。安保の旗を振っていたクラス委員の連中、就職先を見ると、結構普通に区役所に就職したり、大企業の組織の中へ就職している。東京で一番赤いと言われた、青学出身のクラス委員やっていた彼は、最近になって、あの頃の思想について、まるでなかったことのような態度を見せる。いわゆる社会運動を「若者のはしか」という表現をするが、「一過性の熱病」として、自分の行動を知らん振りしている。

70年安保、学生運動で警察機動隊に追われて、人の家の中を土足で通りぬけて逃げたとか、屋根に上って逃げた某駒大の学生委員をやっていた男、今、関西方面で今では中学の校長をやっている。彼のことではないが、趣味や道楽で社会主義運動をやって、悩みも苦しみもなく転向するのだったら、社会正義を支援したオレたちの気持ちは、どうなるのだろう。先頭に立った彼らが転向しては、我々は梯子を外されて、今もって屋根に上ったままだ。

つまり、いつまでも作文教育で教わった「善」、「正義」、「正直」という徳目で社会を見ると、社会の矛盾とぶつかる。みんなを救う側面(恩地派)と自分の成長と仕合せの側面(行天派)を考えた場合、どっちをとるか、これで悩まない人生ならラクだが、多くの人はこの二者択一で苦しむだろう。

うまい言い訳で、「体制内改革」と称して、多くの国会議員は自民党へ入ったが、結局は自民党というしがらみの中で、国民を苦しめる側になっている場合もあった。

00007 左翼思想に殉じて、大企業に就職しないという良心的な身の処し方をする人がいないわけではない。才能さえあれば、ヒトカドのことができるが、その芽が立ち枯れる人も多い。(恩地のように)思想に殉じる、つまり、昔なら転向声明をしない、バテレンなら転ばない人はすごいが、その後、体制の外で生きることになるから、厳しい。君は、そんな生き方ができるか。

その厳しさを甘受できれば、非転向も可なり。しかし、この非転向が社会の変革を担っている場合が多い。そういう厳しい道を選んだ人が社会を改革している。恵まれた道を歩いて社会を担うって都合のいい道ばかりではないから、「生きるのは難しい」。どっちを選ぶのか、と自分に問う。二者択一、逡巡していたら、前へ進まない。

しかし、今の若者には、そんな思想に殉じる生き方など、関心を持つ人はいないかも。「沈まぬ太陽」そういう意味では、自分に刃を突き付けるドラマだ。そういう映画は見たがらないのかもしれない。

沈まぬ太陽 複雑な登場人物一覧   渡辺謙 政治に直言 新聞投書5月28日  硫黄島からの手紙 映画館で見た 2006.12.17 硫黄島玉砕 昭和19年(渡辺謙)

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コメント

「善」、「正義」、「正直」という徳目で社会を見ると、社会の矛盾とぶつかる。みんなを救う側面(恩地派)と自分の成長と仕合せの側面(行天派)を考えた場合、どっちをとるか、これで悩まない人生ならラクだが、多くの人はこの二者択一で苦しむだろう。

こういうテーマが各自の心の中にあるものだ、と私は思っていたが、案外そんなこというのはカッコ悪いと口に出して言わないのがスマートなのか。もっと生き方を議論してほしいものだ。

投稿: nozawa22 | 2010年6月 8日 (火) 02時26分

恩地元の生き様は,結果として家族に犠牲を強いたが,政府,国民航空の政財官複合体制の中で,良くやったというのが自分の感想だ。行天四郞の生き様はやはり東京地検特捜部の捜査対象に遅からずなったんのだ。正直者が馬鹿を見る世の中にあって,最後まで遺族の対応に当たろうとした恩地の姿が立派だ!ナイロビ行きは解せないが・・・・

投稿: 西岡 真央 | 2012年7月23日 (月) 09時22分

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