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2009年10月 1日 (木)

ゴールズワージー林檎の木 純朴な娘の死

秋がだんだん深くなると、ゆっくり人生を振り返ることがある。二十歳から二十五、六へ戻って、やり直しをしたい。今夜は、そんな気で沈潜して見たい気がする夜長である。

リンゴの木(John Galsworthy1867-1933)の主人公、若き弁護士・アシャーストは妻と二人で、銀婚式の記念に車でドライブしてきて、田舎道を散策していた。

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私の受験勉強の英文の中で、小説家ゴールズワージーの作品の例文が最も印象深かった。田舎から出てきた受験生には、田舎の女の子が見栄えしない気がするときがある。そして、田舎臭さを捨てたい気持ちが、そうさせるのかもしれないが、都会のキラキラする魅力に振り回される時期がある。

二十六年前、一瞬のうちにアシャーストは一人の女性に魅了された。花のような魅力に富んだ青い瞳、清純でほっそりした顔や姿、リンゴの花を思わせるほの白い頬。隣にいる妻は四十三歳になった今は、その頬には、淡いシミができたが、灰青色の瞳には、一種の充ちたりたものが宿っていた。でも、美しく貞淑な彼の伴侶だった。

散歩しまがら田舎の景色を見て、見覚えのあると思っている間に、小さな石の墓を見つけた。誰の墓だろう。路傍に打ち捨てられて墓を見て、自殺者の墓と気づく。彼の脳裏に二十六年前のことがよみがえってきた。

アシャーストは、イギリスの片田舎で純朴な娘ミーガンと恋仲になる。しかし、身分差ゆえの反対にあい、遂にミーガンを棄て、都会へ帰ってしまう。ミーガンは彼を待ち続けるが、捨てられたことを悟り、自殺する。そのことを26年間知らずに過ごした・・・アシャーストはすっかり忘れていた自分に気づき打ちのめされる。

18,9歳の子の田舎臭さなど、都会に住めば一年二年で、見違えるようにすっかり消えるもの。野暮な服装の女の子でも、ホンの少し温かく見守れば、アヒルの子が白鳥になるだろうに、男も若いとそれが待てない。そんな生意気な態度が今になると、許せない気がする。

「林檎の木」のアシャーストも、田舎ポさが抜けない娘ミーガンから、都会派の娘、今の妻に目がくらんだのだろう。そして、純朴なよさに気づかないで、ミーガンを自殺に追いやったしまった。

現実では、自殺にまで追いやらなくても、深く傷つけてしまうことがある。人間的なよさは、どこにあるのか、それを年とともに、少しずつ判ってくると、悔やむことがある。

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